日本のビジネスでは、長期的な信頼関係を重視する傾向があります。短期的な利益を優先する欧米のビジネススタイルとは異なり、一度取引先を決めると、簡単に関係を断つことは少なく、10年、20年と続く長い付き合いが一般的です。取引条件が多少悪化しても関係を維持することが多く、これは長期的な安定につながります。

一方、欧米では、状況に応じて取引をすぐに打ち切ったり、新しい業者を価格競争の中で選定することが珍しくありません。たとえば、3か月で成果が出なければ契約を見直すことも一般的です。この柔軟性はメリットもありますが、特にコロナ禍では一部の欧米企業が多くの取引を中止し、従業員を解雇するなどの対応を取りました。その結果、回復時には関係の再構築に苦労するケースもあったようです。

日本企業はコロナ禍でも取引先との関係を維持し、解雇を最小限に抑えたところが多かったと言われています。そのため、経済が元に戻った際の復旧が比較的スムーズだったのではないでしょうか。

どちらのアプローチにも一長一短がありますが、異なるビジネス文化を学ぶことで新たな視点が得られます。