中国が春節(旧正月)に突入し、日本の主要観光地は中国からの観光客で賑わっています。中国の統計を見ると日本は人気旅行先として常に上位にランクされているため、困難は依然として色々と残りながらも多くの観光客が中国から日本に来て、日本滞在を楽しんでいる様子です。素晴らしいことだと思います。

さて、この人たちをどうやって自分のビジネスに結びつけるかが大きな課題です。

「そもそも中国人は…」と、14億人もいる中国人をひとまとめにする経営者は論外ですが、いまだに「日本に来る中国人は…」と、その程度のくくり方でしか見ていないのも稚拙と言わざるを得ません。

私が参照にしたデータ*によると、日本は特に18歳以下の子供を連れた中国人観光客に人気が高いようです。(*Dragon Trail International, Essential Guide to China’s Family Travel Market)

そして、その人たちは日本に来て単に観光地を巡ったり美味しいものを食べたりするのではなく、教育的に価値が高い体験プログラムを期待しているというのが特徴です。語学教室、スキー教室、自然保護プログラムへの参加と、学習やスポーツトレーニングを目的としている家族が多いようです。

また当然、そういう家族は所得が高く、快適で安全な宿泊施設を求めています。つまり子供にとって快適で過ごしやすく安全であることが絶対条件です。

もちろんこれは一例です。中国からの訪日客と言っても色々な層、色々なタイプ、色々な旅行目的があるでしょう。

これらをすべて「中国人は…」などと、一括りにしていては、大きく的を外すことになりかねません。ましてや大切なビジネスの戦略を立てる際に視聴者を集めるだけが目的のテレビ報道や、クリック率を上げるだけを目的にしたネットニュースなど、マスコミの偏った報道を鵜呑みにしていてはいけません。

インバウンド向けのマーケット戦略を考える際は、自社が得意とする分野で狙える層を信頼できるデータに基づき自分で分析した上で、的を射た適切な戦略を立てることが不可欠なのです。