電車の中で超ボロボロのビジネスカバンを大切そうに持っている年配のビジネスマンを見て、ふと、私が20代の時に営業セミナーで習った話を思い出しました。営業ノウハウの、割と古典的な話だと思います。

あなたがカバンのセールスマンだったとします。カバンを買ってくれそうなタイプの人は次のうちどちらでしょう。

1.ボロボロのカバンを使っている人。
2.新品のカバンを使っている人。

答えは2です。

では、選択肢に次のタイプが入るとどうですか?

3.新品のカバンを5つ持っていて、使い分けている人。

答えは3です。
つまり、3>2>1の順です。

理由は…もう、わかりますね?

3が一番お金持ちだから?
もちろんお金を持っているか否かというのも重要ですし、その意味でも上記順位は理にかなっています。しかし、それよりさらに重要な理由があります。

ボロボロのカバンを使っている人は、そもそも新しいカバンに興味がないのです。どうでもいいと思っているので古いカバンを使い続けている可能性が大です。その人に新品のカバンを売ろうとしたところで必要性がないのなら買ってくれません。

一方、新品のカバンを使っている人は新しいものが好きなのか、買い物をするのが好きなのか、あるいはカバンが好きなのか、いずれかの可能性が高いのです。また新しいものを買いたくなるかも知れません。

一番確実なのは、3です。新品のカバンを5つ持っているのなら、間違いなくカバン好きです。その人は6つ目を買う可能性が非常に高いでしょう。

これは色々なことに共通します。新車を3台持っている人は、中古車1台しか持っていない人より車を買う確率は高いハズですね。くつ、時計、メガネ、スーツ、ワンピース…など、すべて共通です。

B2Bでもしかりです。古いシステムを使い続けている会社より、新しいシステムを使っている会社の方が更に新しいものを買ってくれる可能性が高いはずです。毎年システムを入れ替えている会社、同じタイプのシステムを複数使っている会社なら、さらに可能性がグッとあがります。

何かの営業で、「ウチはもう導入済みだから。」「ウチは他社に頼んでいるから。」と言われた時、実はチャンスなのです。