富士通が新卒の一括採用をやめるという発表が話題になっていました。
しばらくその世界から遠ざかっていた私にしてみれば、「え?まだやっていたの?」という感じですが、なにはともあれ、日本を代表する企業の1つである富士通がそれを決めたというのだから多少なりとも影響力はあるでしょう。
終身雇用が前提である日本企業は、大学を卒業したての人を大量に雇い入れて社内で育てるというのが長年の文化でした。大抵の企業で最初の2-3年は修業期間であり、戦力としては0であっても「投資」と考えて教育することを優先したわけです。ところが時代が変わり、そうやって企業が育てた人材があっさり辞めてしまうようになったのです。企業としては投資が回収できなくなったということです。
さらに、昔は何でもできるジェネラリストが良いとされ、その企業文化に合ったジェネラリストを育てる傾向があったのに対して、スペシャリストの時代になり、一通り何でもできるだけの人材が不要になってきたのです。そうすると、新卒を一括採用して自社用のジェネラリストを育てるというやり方では通用しなくなったのでしょう。
今後は日本文化も更に変わり、学生が一斉に就職活動を始め、4月に一斉に就職するという文化が無くなってくる可能性が高そうです。
学生も今のうちにスペシャリストとして通じるスキルを磨き、就職も単に有名企業を狙うのではなく、スペシャリストとして自分を成長させる機会だと思って戦略的に考える必要がありそうです。