最も自分が嫌いな仕事は何かと聞かれたら、私は迷わず支払い催促の仕事と答えます。おそらく誰にとっても催促の仕事はとても嫌なことだと思います。
幸い、当社の場合は素晴らしいお客様に恵まれているおかげで、めったに催促が必要になることはありません。あったとしても、たまたま支払いのサイクルがずれて入金が遅くなったり、請求書が行き違ったりした場合の偶発的なものが大半です。
一方、経営者である友人などに聞いてみると、1日2時間は催促の仕事に取られると言う人、請求の2割から3割は期日に支払われないと言う人もいます。業種にもよりますが、やはりどこの会社でも入金が遅れてくるのは、悩みの種なのでしょう。
お客様に対して確認をするときは当然ですが、本当に入金がなかったか、こちらのミスはなかったか、請求書が正しく送られていたかなどを十分にチェックした上で行います。万一こちらの確認もれだった場合、大変な失礼になるからです。この二重三重に渡る確認作業、そして万一の場合でも失礼にならないように丁寧なメールを書くだけでも時間がかかりますし、その結果、両社で何らかの認識の相違があった場合、過去の入金や請求などを再確認するのも大変な時間が取られます。いずれも決して楽しい仕事ではなく、前向きな仕事ではありません。しかし、不可欠な仕事です。
そういえば、私が銀行に勤めていた20代の頃、たまたま家に財布を忘れ、先輩から1000円を借りたことがありました。その時先輩に「必ず明日返してくれ。俺が催促するのは嫌だからな。」と言われたのを今でも鮮明に覚えています。当時はその理由がイマイチわからなかったのですが、今となってはよくわかります。
催促をするのは嫌なことですし、ましてや友達に対してはとても嫌なことなのでしょう。今の私だったら同じことを言うはずです。
しかし好き嫌いにかかわらず、催促は必要不可欠な仕事です。出来る限り慎重に丁寧に間違いがないように行うと同時に、自分自身が逆の立場にならないよう、くれぐれも注意することがとても大切だと思います。