この世界地図を見てピンとくる人は、海外生活や海外ビジネスの経験がある人でしょう。
これはヨーロッパで使われている典型的な世界地図です。
見ての通り、ヨーロッパが中心にあり、日本、アジア諸国が右端、つまり一番東の端に位置しています。この地図を使って考えると、日本は「極東」「Far East」にあるわけです。
しかし、これはあくまでヨーロッパから見た場合の話であり、ヨーロッパを中心に考えているからです。日本を中心にすると、我々が普段見ているもの、つまり右に北アメリカ大陸と南アメリカ大陸、左にヨーロッパやアフリカがある地図になります。

これは国際ビジネスをする上で、非常に重要なポイントなのです。
ヨーロッパから日本に来て営業をするとき、「ここFar Eastでは…」ということを言ってしまう人が多くいますが、これはアウトですね。この一言で、この人は完全に自分たちを中心に考えてお客様の立場で考えていないがバレてしまいます。聞く人によっては「Far East」という言葉を侮辱と思うかも知れません。
もちろん、最初に挙げたようなヨーロッパ中心の世界地図を使うのもNGです。本気で日本にものを売りたいと考えるのであれば、日本を中心にしたバージョンに作り変えて持ってくるべきなのです。
逆に私たちがヨーロッパでものを売るときも同じです。もっとも「極西」「Far West」という言葉はありませんが、少なくとも世界地図はヨーロッパを中心としたバージョンに作り変え、意識としてもヨーロッパを中心に考えなくてはいけません。
営業もマーケティングも相手の立場になることは基本中の基本です。そのためには頭の中にある世界地図を描き直しておくことが大切です。