世界各国の言語でホームページがあるにもかかわらず、それらを全て本社の一部門で集中管理している多国籍企業がよくあります。複数の国に展開する外資系企業に超「あるある」な話なのです。今日も初めてお会いした米国系企業のお客様とその話で盛り上がりました。
この方法だと、国や言語によらず、世界的に統一されたイメージを保てるという大きなメリットがありますし、更新の際も同時に行えるため、言語によるズレができないという利点もあるでしょう。
その一方で、次のような問題があるのも事実です。
1.デザインの現地化ができない
本来なら各国の文化に合わせ、デザインや構成、レイアウトなどを変える必要があるのに本社の方針で全てが統一されてしまいます。例えば日本語版だと日本向けであるにもかかわらず、デザインは外国的なものになってしまうため、日本の私たちが見るとどうしても違和感が拭えなくなってしまいます。
2.遅れがちな対応
個別の変更が迅速にできないのも問題です。例えば日本語で誤字を1つ見つけたとしましょう。もし日本支社で管理しているのなら見つけたその日のうちに修正する事が可能です。ところが海外の本社で管理している場合は、わざわざ依頼を出し、内部プロセスを経て修正することが必須です。そのため、わずかな修正でも1週間以上かかることが頻繁にあります。
3.国別に固有の内容が載せされない
デザインだけでなく内容の現地化もできません。例えば米国発であった場合、ユーザ事例などがどうしても米国のものに偏ってしまいます。日本のお客様は、日本での実績や使用例、日本の規制に合わせた機能などを見たいものの、それに合わせた内容を掲載することがなかなかできません。また日本にせっかく支社があるにもかかわらず、日本での連絡先、日本語サポートなどを全面にアピールすることもできません。
多言語のウェブサイトを一か所で集中管理するメリットは認めますが、総合的に考えるとやはり各国でそれぞれ管理する方が、いろいろな面で総合的にメリットが大きいと思います。