新潟にあるIT系の専門学校から面白いダイレクトメールが届きました。その専門学校とコラボし、高卒者を採用しませんかというものでした。

採用難が続く中、大卒で職務の経験がある人を探すではなく、職務経験のない高卒の人を企業が採用するのです。そして会社の負担で、その人材を専門学校または4年制大学に通わせるか通信教育を受けさせ、実力をつけてもらってから会社で活躍してもらうというアイデアです。

IT企業が高卒人材を採用するのであれば、比較的競争もないし、将来有望な人を採用しやすいはずです。一方、高卒で就職する方も、費用面などの理由で専門学校や大学に行けなかった場合、企業に助けてもらいながら専門学校や四大卒のキャリアを築ける魅力があります。

ところがですね…。大きな問題として、まず企業にとってはその人材が戦力になってくれるまで随分と時間がかかることです。すぐに即戦力が欲しいという企業には向いていません。

また一番大きなな問題は会社のお金を使って学校に通った人材が卒業後に辞めてしまう可能性があるということでしょう。日本では法律上、人材を拘束する事はできません。「卒業後五年は会社を辞めない」などと契約書に書いたとしても、それは違法なので無効になってしまいます。

つまり会社が高いお金をかけ、時間を使って育てあげた人材が会社に恩を返さず、すぐに辞めてしまう可能性があるということです。

プロジェクトとしては面白いものの、会社にとっては非常にリスクがが高いため、資金と人材に余裕がある大企業ならともかく、中小企業には向いていない気がします。