外資系企業の日本支社に勤めていた頃、よく海外の営業担当役員から、「今狙っているA社の意思決定者は誰だ?田中課長か、山田部長か?」という質問をされて、「あの会社には意思決定者がいない。いや、そもそも、日本の会社には意思決定者という人は存在しない。」と答え、驚かれたものでした。

欧米の会社だと大企業でも小企業でも、大抵は部署ごと、プロジェクトごとに責任者が1人いて、その人がすべてを任されています。委託先やパートナー業者を決めるのも他の人の意見を聞きつつも、最終的には1人が決定します。予算だって数千万~1億くらいまで、あらかじめ割り当てられている範囲内なら、その人1人の責任下にて勝手に決めていいのです。

これが日本の会社なら、そうはいかないでしょう。

業者選びだって、まず複数社から提案書を出させて比較検討表を作り、検討会議を何度も開き、稟議書(りんぎしょ)を作り、そして各関係部署に回覧し、各責任者にハンコを押してもらい、やっと決定できます。会社の規模、プロジェクト規模にもよりますが、最低でも1か月、長い場合は1年近くかかることだってあります。もちろん欧米の会社だって場合によっては本社決済や検討資料を作り複数名で検討ということもありますが、それでも1週間~1か月以内で済むレベルでしょう。

この意思決定の仕組みを変えないと、すべてが音速で進む今の時代、致命傷になりかねません。