そんな話を聞いたのは、ある著名な音楽家の側近の方からです。その音楽家は大企業などをスポンサーにつけてしまうと、その企業の言いなりになってしまい、音楽家として本来一番大切なはずのこだわりが損われてしまうと信じていたそうです。
その反対に、音楽会社などをスポンサーにつけ、世界的に活躍した音楽家も沢山います。
ジャンルは全く違いますが、先日あるイタリアンレストランのオーナー夫婦と飲んだ時も似たような話を聞きました。その店は徹底してイタリアの味を再現しているのですが、残念ながらそれでは日本で受け入れられないこともあります。多くのレストランは多少なりとも妥協し、味を少し日本に合わせ、頑張って集客をしています。
もちろん本格的イタリア料理のレストランといえども商売なのでお客さんに合わせることは仕方ないものの、そのオーナー夫婦は、その点だけはどうしても妥協したくないということでした。
とても難しい選択肢だと思います。
「悪魔に魂を売る」と言うのは大げさですね。でも、商売と自分のこだわりをどこで最適化するかというのは、永遠のテーマだと思います。