英語で「I look forward to it.」という表現は非常によく使います。正式なビジネスでも親しい友達同士でも、ほぼ毎日使っていると言っても過言ではありません。大切なお客様と会う約束をした時、初めてのお客様とWEBミーティングの約束をした時、相手の社長さんに初めて会う時…仲良しの友人と飲みに行くときまで、万能に使うことができますし、どんなに偉い人に対して使っても失礼になることはないでしょう。

これを日本語に訳すと「楽しみにしています」という表現ですね。まったく同じ意味です。日本でもよく使いますが、恐らく英語から来ているのだと思います。50年前にあったかは疑問です。

ところがですね…。
私が思うに、日本では少しカジュアルな場合にのみ使っているような気がするのです。友人同士で飲む約束をLINEやメールで決めた際に、最後「楽しみにしてるね!」と親しみを込めて書くのは一般的ですね。

私はビジネスでもお客様に対して自分のキャラを出すために、あえて親しみを込めて使うことがありますし、初対面の方、少し目上の方に対しても使うことがあります。

しかしお堅いキャラの人がお堅い相手に使うのは、ちょっと違和感があるでしょう。特に年配の人で立場が高い人が、同じくらいの人に向かって「お会いできるのを楽しみにしております。」使うことはあまりないはずです。結婚式の招待状、式典の招待状などフォーマルな文章で「楽しみにしています」と書かれることもありません。

そう考えると、日本語の正式なビジネスメールやB2Bのホームページで「皆様とお会いできるのを楽しみにしています。」と書くのは誤用ではないものの、なんとなく違和感を感じるのです。

B2Bビジネスで、英語のホームページを日本語化する際、英語版に「We lookforward to working with you.」と書いてあるからといって、日本語版に「みなさんと一緒にお仕事ができることを楽しみにしています。」と書いてしまうと、機械翻訳でなくても、やはり違和感が出てきます。

正しいか間違っているかだけでなく、より日本的に受け入れられやすくするためには、その表現が日本で同じような場合に本当に使われているかどうかまで検討することが大切だと思います。