そういえば、これらの語源を小さい時に習ったような気もします。しかし今、あえて考えてみると面白いものです。

「米国」は漢字の亜米利加(アメリカ)から来ています。だからといって、「米」の一文字だけ取り出し、アメリカという本来の名前を米国と言い換えたのは、とても無理がある気もするのですが…でも、米国人に聞かれて説明するとみんな面白がるし、いいのでしょう。

小説家の浅田次郎さんは、本来コメの大国は日本なのに、コメ文化がほとんどないアメリカを「米国」にしてしまったのは残念だ…というようなことをエッセイで書いていました。なるほど、言われてみれば確かにその通りだと私も思います。

「欧州」は同じく漢字の欧羅巴(ヨーロッパ)から来ています。「州」は「地域」などの意味があるので、複数の地域から成り立っているヨーロッパを表現して「州」にしたのでしょう。

「豪州」は上の2つと比べ少しわかりにくい由来です。もともと漢字では濠太剌利(オーストラリア)と書いていたのですが、先頭一文字の「濠」は常用漢字でないため、似た文字をとって「豪州」と書いたそうです。こちらも州がつくのは、もともと英国連邦の1つたったことに由来するようです。

いずれも元の発音から大きく乖離していますが、あえて日本語で発音しやすく書きやすく表現しやすくした先代たちの知恵にはいつもながら頭が下がります。