ある市町村で20%増額するという食事商品券が日にち限定で売り出されたところ…朝9時の発売に対して早朝4時から人が並ぶくらいの大人気になったそうです。当日7時に行った人は買えなかったということでした。20%増額というのは、つまり、10,000円で12,000円分買えるので2,000円得するというものです。上限が無かったため、百万円分買う人も沢山いたそうです。百万円なら20万円も得するので、朝4時から並ぶ人がいたのもうなずけます。
ただし…。
よく考えてみたら、これは20%割引クーポン券と(ほぼ)同じ効果ですよね。しかし20%引きの割引券を配ると言っても朝4時から並ぶ人はいないでしょう。でも「100万円で20万円得する」と言えば、多くの人が飛びつくのです。算数上の効果が同じでも心理的な効果が全く違うのです。
そういえば家電量販店で「100人に1人、買った金額が全額もどる」というキャンペーンをやったところ、大繁盛したことがありました。ニュースにもなりました。これも店としては1%引きと同じなのです。でも1%引きと言ったところで喜ぶ人はいません。軽く無視されるでしょう。しかし「100人に1人、全額返金」にしたところ大繁盛した上にマスコミにまで取り上げられて大きな宣伝になったわけです。
こんなところにもマーケティングのヒントがあるような気がします。