昨日の記事に書いた「Siri」の創業者であるアダム・チェイヤー氏の後は、著名な脳科学者・茂木健一郎氏の講演を聴きました。私はテレビをまったく見ていないため、茂木氏の話は何度も読んでいながら声を聞くのは初めてでした。もっとお堅く暗い学者タイプの方かと思いきや、正反対でしたね。とても明るく、面白く話をされる方で、会場の全員があっという間に話に引き込まれていった感じです。

さて。
色々と興味深い話が続いた中で私が印象に残ったのは、AIで出来ることと出来ないことの話です。

昔の教育は(いや、今でも大抵は)記憶することが主体で、記憶力が良い人が頭のいい人と思われていました。その次は計算ができる人でした。今ではどちらもコンピューターに代わられてしまいました。

そして次に文章を書ける人が頭が良い人と言われていました。しかしそれもAIに取って代わられました。プログラミングもAIがやってくれます。絵をかいたり音楽を演奏したりすることもAIがやってくれます。

ところが、AIは決断をすることができません。AIは答えを提案することはできますし、選択肢を示すこともできます。しかし正しい答えを選び、それを採用すること、そして決断することはAIに出来ないのです。

孫正義さんを始め、天才経営者は全員がずば抜けた決断力を持っています。それこそ人間にしかできないことであり、それができる人がAIに勝てるというわけです。

「自分の人生は自分で決めるのが人間」というのが今回のお話の結論でした。AI時代だからこそ、今まで以上に意味があり、含蓄がある言葉だと思いました。