帝国データバンクによると、今年、平均的なクリスマスケーキの価格が昨年対比1割も上昇したそうです。世の中、色々な物の価格が上昇しているのも事実ですが、消費者物価指数の上昇は2%~4%程度なので、その中でもクリスマスケーキが特に高くなったという感があります。小麦粉、卵など主原料の価格が高騰しているためだと言われています。

そして今日、ニュースなどを見ていると、「今年はクリスマスケーキをあきらめた」なんていう話が大々的に報道されていました。

もちろん、それは事実でしょう。給料がまったく上がっていないのに色々な物の値段、特に生活必需品の値段が上がれば、必需品でないものに対して財布のひもが固くなるのは当然です。しかし見方によっては年に1回しか買わないクリスマスケーキが数百円、つまりコーヒー1杯分値上がりしたところで、生活全体にどのくらいダメージがあるかは疑問です。

実際問題としては、出費が数百円増えたという打撃よりも、心理的な打撃の方がはるかに大きいのだと思います。収入はまったく変わらないのに、全体的な物価、日常品の値段がじわじわと上がってきて、いつ収まるかは見通しが立たない上に、国際問題の不安、国内政治の不安などの悪材料がかつてないほど積み重なっています。この状況を考えるとわずか数百円のコスト増だって心配になってくるのでしょう。

今のような状況下、リーダーたちが少しでも庶民の不安を和らげるような姿勢を見せることが不可欠だと思います。