ある翻訳者から聞いた話です。

その人は翻訳だけでなくネイティブチェック、つまり第三者が書いた英文をネイティブの目で校正する仕事も頻繁に引き受けているのですが、その内容が近年大きく変わってきているそうです。

これまでならチェックする文章は英語圏以外の人が書いた英文でした。なので、文法的には合っていても米国や英国で実際には使われないような不自然な英語表現などを見つけて直すのがネイティブチェックの仕事でした。

ところが最近では明らかに機械翻訳で日本語から無理やり英訳されたような文章やChatGPTで生成されたような文章がネイティブチェックに回ってくるそうです。プロの目で見れば一発で分かってしまうということです。最初はそれも仕事のうちと思って割り切っていたものの、最近はそれが余りにも多くなってしまい、まるで自分が機械のために働いている、機械に使われているような気になってしまったそうです。

わかるような気がします。

利用者としては、日本文を機械翻訳してしまえば手間も費用も0ですし、それをネイティブチェックに出すだけで英語が完成されるのであれば、最初から翻訳に出したりライティングを依頼したりするより安上がりですね。しかし受ける側としては修正してあげる相手が人間ではなく機械なのだから、まじめに考えると虚しくなってくるでしょう。バカにされているような気になってしまうこともあるかも知れません。

時代と共に役割が変化したと割り切ってしまえばいいのですが、つらいところがありそうです。