1955年、アメリカでマクドナルド兄弟が経営する小さなハンバーガー屋に興味を持ったレイクロックさんが、兄弟からフランチャイズ権を取得してチェーン展開を始めたのが今のマクドナルド起源であることは有名です。
その時、レイクロックさんは独自の効率的なハンバーガー製法と同時に、「McDonald’s」という名前、その覚えやすさや響きの良さに大変魅力を感じ、創業時にあえて自分の名前や他の名称を使わず、絶対に「McDonald’s」という名前を使うことに固着したそうですね。そして大成功しました。
もちろん名前のおかげで成功したわけではないものの、違う名前なら今ほどは大きくなっていない可能性もあります。
そしてその「McDonald’s」を日本の実業家、藤田田さんが日本に持ってくる際、この英語名をあえて日本語で「マクドナルド」という名前にしたわけです。
実は英語の「McDonald’s」は正しく英語で発音すると「マッ・ドナズ」という音になります。「ク」や「ル」は、ほぼ音がなく、最後は「d’s」で終わるので、「ズ」と発音するのが正解です。なので、無理にカタカナでかくとすれば「マ・ドナズ」、あるいはそのまま無理やりローマ字読みすると「マクドナルズ」になるわけです。
ところが日本語学に詳しい藤田さんは、これらの名前では日本語として受け入れらないと考え、日本語を母国語にする人たちが発音しやすいように、覚えやすいように変更して、今の「マクドナルド」という名称にしたということです。もし日本で上記のような英語的な名前だったとしたら、やはり今ほどは大きくなっていない可能性があるでしょう。
今、日本ではそこまで徹底したこだわりを持って会社名や店舗名を付ける人は滅多にいません。海外ブランドは英語やフランス語など元の表記のままで持ってくるか、単に外国語をカタカナで書くだけが一般的です。また元から日本の会社や店舗であり、完全に国内向けなのにもかからわらず英語名やフランス語名などを付けるところも多いでしょう。
ビジネス史上の偉人たちから学ぶべきことは多々あると思います。