再開発が進む渋谷で東急百貨店本店、東急東横店ともに閉鎖になったのは大きなニュースになりました。しかし実は完全になくなったのではなく、地下にあった食料品店は形を変えて継続営業しています。いや、継続どころか渋谷に新しくできた複数の綺麗なビルに分散されて、ますますパワーアップした感すらあります。

ところが私が気づいたのは、売っている商品の割合が大きく変わっていることです。数字を調べたわけではなく、なんとなく自分の感覚なのですが、お惣菜や弁当類、いわゆる「できあい」が多くなり、さらにスィーツが非常に多くなっているように感じます。その一方、家に帰って料理を作らなければならない魚や肉野菜といった生の食材が大きく減っています。お惣菜や弁当の売場100とすると食材売場は30くらいしかありません。そして、なんとスイーツ売場は300くらいあります。圧倒的にスィーツが多いのです。時代の流れ、需要に合わせているのでしょう。もちろん場所柄もあります。

他方、経営面で見ると、利益率が1番高いのはスイーツ、2番目がお惣菜・弁当、3番目が生の食材だと思います。そう考えれば家賃が非常に高い渋谷では、この順番に売場面積を充てるが正解ですね。そういう点でも理にかなっているわけです。

全く業種は違いますが、時代に合わせて上手に戦略を立てている一流デパートの経営は、いろいろな面で参考になるところがあります。