最近アメリカでは若手弁護士がベテラン弁護士より強くなってきたという話を聞きました。
私はその話を聞いた瞬間にすぐに想像はつきました。
やはり案の定、AIの力ですね。
これまでだと事件の内容を聞いて、ベテラン弁護士が過去に自分が経験した事件、莫大な量の判例などを頭の中で整理し、同じパターンを見つけて戦略を立てるという方法でした。そのため、経験が長くいろいろな例を知っている弁護士ほど有利になったわけで、若手の弁護士で経験の少ない人はどんなに頭が良くても太刀打ちできませんでした。
ところが今やAIの時代です。若手といえども担当の事件をAIに入力すれば、それに合う法律、過去の判例、成功事例などが瞬時に出てきます。AIには1人のベテラン弁護士の数百倍、数千倍、数万倍の知識と「経験」があるわけです。若手弁護士本人の経験が少なくても、ベテラン弁護士を上回る量の経験を持っているのに等しいわけですね。AIを使える若手の方が有利になります。
ところがですね…。
ではベテラン弁護士は不要かという必ずしもそうではありません。
例えば新人の弁護士が「AIを使って過去10,000の判例を元に戦略を立てました。」と言うのと、ベテラン弁護士が「自分が経験した10の事例をもとに戦略を立てました」と言うのでは、どちらがいいでしょう?もちろん人によると思いますが、私なら、もしかすると後者を選ぶかもしれません。
やはりAIや機械だけでは実現できない人間ならではの強みがあると思います。
これからの時代、そういう力を持った人がAIに対して遅れるどころか、さらに強くなっていくものだと思います。