アメリカのビジネス雑誌で「有名な話」と書いてあったので、国によっては一般的に語られていることなのかもしれません。私は初めて読みました。
1つしかないオレンジを姉と妹が取り合っていた時、母親がそれを二つに切って半分ずつ分けました。
妹は皮を捨てて、中身を食べたものの、「半分しか食べられなかった」と不満を残しました。一方、姉は中身を捨てて皮だけを使いケーキを作りました。姉の方も「予定の半分しかケーキができなかった」と怒っていました。
ここで失敗だったのはお母さんが両者の意図を理解せず、オレンジを半分に分けてしまったことですね。もし両者の意図を初めからきっちり理解していれば、妹には丸ごと中身をあげ、姉には丸ごと皮をあげれば両方ともがwin-winだったでしょう。双方とも「まるごと」得ることができたわけです。
これはビジネスにおいても通じることです。
相手が主張している真の意味を理解せずに、表面的に対応した結果、十分な満足が得られないというわけです。経験がある人も多いかと思います。
お客さんが本当に求めていたのは低価格でなく短納期であったのに、それを理解せずに単に価格を下げたところで双方にとって満足する結果は得られません。あるいは、人によっては価格でも納期でもなく、とにかく品質のみを求めているかも知れません。にもかかわらず、価格のことや納期のことばかりを話しても納得は得られないわけです。
相手が難色を示したとき、または何かを主張してきたときに、その背景は何なのか、意図は何なのかをきっちりと汲み取った上で対応することが、とても大事なのだと思います。