「適材適所」なんて言葉はあまりにも一般的ですし、陳腐な響きすらあります。経営者、管理職なら誰もが意識していることですし、優先度としては最上位に来るものです。
しかしその割には、日本で人材が有効に活用されていない例をよく見ます。いやその方が圧倒的に多いように感じます。
例えば海外生活が長く非常に高度な英語力がある人材が、全く英語を使わない部署に配属されている事は日常的に散見されます。また、美術大学でデザインを専攻した優秀なデザイナーが、デザインに全く関係ない仕事を任されていることもありますし、海外の一流大学でMBAをとっている人材が末端で営業活動をやっていることもよくあります。それが修業として短期間ならいいものの、そのままになっていることが多々あります。
そもそも日本でトップレベルの大学を優秀な成績で卒業した人たちの大半が役所や大企業に入ってしまい、単なる歯車の1つとして埋もれ、せっかくの素晴らしい能力を発揮していない例が圧倒的に多いのではないでしょうか。
日本は戦後のドン底から這い上がり、今の繁栄に至るまでに工業化社会、高度成長期を隔てているため、いまだに個性をつぶし、周りと同じことをすることを良しとする風潮があります。ひどい落ちこぼれを作らず、抜けた能力を持つ人も輩出しない教育、社会環境が続いてるように見えて仕方ありません。
これからの時代、世界の中で勝ち残っていくためには、それぞれの才能を十分に発揮できる環境作りが日本には不可欠だと思います。