日本語としてわかりにくいのか、キャッチコピー、キャッチフレーズ、コピー、コピーライティングという言葉が混在し、うまく使い分けていないことがあります。私自身もよく間違えます。
まずキャッチコピーというのは和製英語で、英語圏では使いません。(意味として通じなくはないと思いますが。)英語ではキャッチフレーズ(catchphrase)ですね。キャッチフレーズとは、商品やサービス、企業、キャンペーンなどの魅力や特徴を、短く印象的な言葉で表現した宣伝文句のことです。広告やポスター、CM、Webサイト、などに使われます。日本語で単に「コピー」と言うこともありますが、印刷のコピーと紛らわしいので、あまり使わない気がします。
これを書くのがコピーライティング。
つまりコピーライティングとは、商品やサービスの魅力を伝え、読み手に具体的な行動を促すための文章を書く技術のことです。単に情報を伝えるのではなく、「買いたい」「知りたい」「申し込みたい」といった感情を引き出すことを目的としています。
コピーライティングの場合、日本では短いキャッチコピーを書くことを指す場合が多いと思いますが、商品などを説明する長い文章を書くことも本来のコピーライティングです。また、「キャッチコピーを書く人=コピーライター」と思われることもあります。確かにそれもコピーライターの仕事ですが、長文を書くのもコピーライターの仕事です。
さて。
先日お会いした、格安でプリントができる印刷機を販売されているお客様が最近使い出したキャッチコピーが面白かったので載せておきます。

「上手なコピーライターに依頼されたのですね。」と尋ねたところ、何と、ビデオ撮りで依頼した俳優さんが、商品説明を聞いて年間で数百万円も節約できるということを知って、思わず言った言葉だったそうです。それをそのまま採用したわけです。
この「浮いた印刷費で社用車が買える!」というのは、「1枚いくら安くなる」とか「1枚たったxx円」とかいうより、はるかにインパクトがありますし、覚えやすく、商品の特徴を一言で見事に表していますね。
そういえば昔アップルが超小型のiPodを発売した時、「容量xxメガバイト」でも「最新テクノロジーのxxを採用した」でもなく、「ポケットに1,000曲」というキャッチコピーを使い、大成功しました。これも万人にとって非常に分かりやすく、インパクトがあり、しかも商品の特徴を一言で表しています。
これぞ、キャッチコピーのお手本だと思います。