私たち日本で仕事している人には当たり前のことなのですが、異文化の人が見ると理解不能な商慣習があります。
私がカナダ企業の日本支社に勤めていた時、本社の人たちが日本に来て日本企業との会議に参加した後でよく話していた「日本の謎」をいくつか紹介しましょう。
1.名刺交換
これは既に欧米でも有名になっていますし、中には日本の習慣を取り入れて名刺交換をする人もいますが、やはり日本に来て「本場」の名刺交換風景を見ると驚くものです。特に、2-3人の面談ならともかく、10~20人くらいが参加するような大きな場でも、会議の前に1人1人が名刺交換を始めます。ひどい場合、名刺交換に10分以上使うこともあります。これは効率を重んじる国の人たちにとってはムダに見えるでしょう。
2.大人数参加
私が勤めていたカナダの会社でもフランスの会社でも、同じ役割の人は二人以上一緒に顧客訪問しないという暗黙ルールがありました。例えば営業マンが2人で一緒に同じところに行ったり、商談のサポートにエンジニアが二人付いてくるのはNGでした。ところが日本企業、特に大企業との会議では、同じ役割のエンジニアが5人も6人も参加してくることが頻繁にあります。しかも、その中で実際に発言する人が1人、2人しかいないのであれば、残りの人が何しに来ているのか…理解不能でしょう。
チームワークを重んじる日本的にはみんなが同じ情報を共有するためだというものの、情報はメール1本で共有できるのだし、欧米の人から見るとやはり非効率に見えてしまいます。
3.厳しく定められた席順
日本企業の場合、会議室で着席する位置がその人の地位によって厳密に定められています。上座と下座、大テーブルでの席順、円卓での席順、応接室での席順なども序列に従う必要があり、厳密です。もし間違って下っ端の人が上座に座ったら、即座に場所移動を命じられます。そのために、会議室に入ってから着席するまで時間がかかることがあり、これは日本文化を知らない人から見ると意味不明なのです。
その他にもありますが…私がよく耳にしたのはこの辺です。
これらが良い悪いは別として、他国から来た人にはこれが常識だと思われていないこと、違和感を感じている人も大勢いることを知っておくことは大切だと思います。