大前研一さんのビデオセミナーでそんな話を聞いてハッと気づかされました。

出会い系アプリ、しかも結婚を前提とした真面目なものは婚活に役立つし、少子化に歯止めをかけると一般的に思われていますし、私もそう思っていました。

しかし大前研一さん曰くは、むしろ足を引っ張っているとのことです。

どういうことかと言うと、ネット以前の時代なら時代なら男性が女性を1人見つけ、交際を始め、結婚に至るまではとても長いプロセスでした。それが今やこうしたアプリのおかげで、そのプロセスがとても短く簡単になっています。

それ自体は良いことなのですが、そうすると今度は一度これでせっかく女性と出会って付きあい出してもちょっとうまくいかないことがあると我慢せずスグにやめて次を探そうというような気になってしまうわけです。昔なら次を探すためにも大変な苦労があったわけなので、多少の事は歯を食いしばって我慢するのが一般的だったはずです。

それが今やこのアプリのおかげで簡単に諦めて、次を探そうとする若者が圧倒的に多いということです。

確かにそれは事実でしょう。そうすると、アプリで出会いが簡単になったがために婚期を逃してしまう人が増えたり、結婚そのものを断念してしまう人が増えたりするのは想像に硬くありません。

今の世の中、出会う機会が少なくなった分、こうしたアプリでそれをカバーする、いや昔を上回るほどの出会いが可能になっているわけです。しかしそれが仇になっているというわけです。

技術の進歩が足を引っ張ているというのは、なんとも皮肉な話です。