欧米企業と取引をする際、契約前に仕事の内容を非常に細かく定義することが頻繁にあります。
私たちの場合は日本でのWEBマーケティングを受けることが多いのですが、その際、私たちが引き受ける内容、その1つ1つの作業と責任範囲を明確に決めるのです。お客様は何を提供し、私たちは何と何をやって、どんなレポートをいつまでに提出して…という具合です。そのレポートだって単に「提出する」というのではなく、レポート含まれる内容と提出の期日までを指定するのが一般的です。反対に、作業には何と何が含まれないかも明記します。
最初は面倒だな…と思ってしまいがちですが、契約前にたっぷりと時間と労力をかけ徹底して細かく決めておくことにより、プロジェクトが始まってからは何をやるべきかがとても明確なので、仕事がスムーズに進みます。また、「当然これを出してくれると思っていた」などの事後トラブルを防ぐこともできます。お互いを守ることにつながると言えます。
日本企業の場合、かなりの大企業でもこの辺を超テキトーのままで「お任せします。」でスタートするのが一般的です。日本の場合は、それでも村社会なので通じていますし、何かあっても話し合いで解決できます。また最悪、大きな問題が起こった際でもお互いにトラブルを避ける文化なので、「契約と違うぞ!」といわれて訴訟に至ることも滅多にありません。これが欧米なら簡単に訴訟に発展してしまいます。
それからもう一つあるのは、日本の多くの場合、特に中小企業の場合はお客さま側も詳しくないため、「すべてお任せします」しかないこともあります。欧米である程度の規模の会社なら、お客さま側にもマーケティングのスペシャリストとかSEOエキスパートとかがいて、それなりの経験と知識をお持ちなので、例えばSEOについては「何と何をやって欲しい」という要求が明確なのです。(日本の場合はそんな細かいことを聞くと、「わからないから頼んでいるんだ!」と怒られてしまいます…。)
どちらが良いかという問題ではなく、やはり文化の違いだと思います。