東京商工リサーチが8月に行った調査*によると、転勤を理由に社員が離職した経験がある企業が38%もあったそうです。意外と言えば意外ですが、十分に納得できる気もします。

転勤命令を受けるくらいなら辞めることを選ぶ人が多いのでしょう。子供の学校の問題、親の介護の問題など、家庭の事情もあると思いますし、単に今住んでいる街から絶対に離れたくないという理由もあると思います。

これが昭和時代なら会社の命令は絶対でしたし、個人的な理由で断ることなんて考えられなかったはずです。ましてや辞めるという選択肢もなかったでしょう。自分個人より、家庭より会社が優先だったはずです。

しかし今は時代が違います。個人の都合、家庭の事情も会社は配慮しなくては、会社の方が逆に叩かれますし、優秀な人材を確保することはできません、

一方、大企業の巨大な組織内で個人の都合をいちいち聞いてそれに合わせていたら、組織が機能しなくなるでしょう。

幸い、今は昭和時代になかったクラウド人事ツールがあり、AIツールがあります。力がある大企業なら、これら先端ツールを活用し、個人の都合を尊重しつつも組織運営を最適化することがこれからの時代に期待されます。

(*東京商工リサーチ 2025年 企業の「転勤」に関するアンケート調査)