欧米企業で日本にも支社がある会社の本社から、ホームページの日本語化や、既に日本語化されたホームページの日本語チェックのご依頼を直接いただくことが時々あります。
日本にも立派な支社があるのに何故そこを通さずに海外の本社から連絡がご依頼があるのか、そもそも日本人スタッフも大勢いるのに何故その人たちに依頼せずにウチに依頼してくるか、最初は不思議でした。
でも色々聞いているうちにわかったことは、次の3点です。
1.日本支社は営業拠点
日本に法人があるといえども、そこは営業がメインの拠点であり、マーケティングも翻訳も担当外だということです。日本的には担当にかかわらず、すべてやるものですが、欧米企業は部署や担当が明確に決まっており、それ以外のことに手を出してはいけない文化があるのが通例です。なので日本の人たちに依頼することはできないのです。
2.自分の仕事を守る
他の仕事に手を出さないと代わりに自分たちの仕事は徹底して自分たちで行い、他に任せることを極端に嫌います。他部署に依頼してしまっては、自分たちの仕事を奪われてしまうという意識が常にあるのでしょう。悪い意味でのセクショナリズムではなく、良い意味で、自分の仕事を完璧にやろうとするプロファッショナリズムなのです。
3.つながりがない
横のつながりがない会社では、本社のマーケティング部門と日本の営業拠点がまったくつながっていないこともあります。せっかく日本拠点があるのだから、協力し合ってやれば良いのにと思うのですが、上記2つの通り、日本拠点は営業に集中させなければいけない上、マーケティングに関してはマーケティング部門が1から10までやる義務があるため、日本支社に相談することすらNGなのです。
みんなで一体となって協力し合って…という古典的な日本方式の方が内容を連動できるし効果的と思う一方で、すべての部署がすべてのことにかかわるようなやり方は非効率的でもあります。
企業の効率的な運営という意味では、正確に部署をわけて職務分担する方法が優れているのかも知れません。