採用に関し、昭和時代から一般的によく使われている陳腐な言葉です。しかし、考えてみれば、意味が深いと思うのです。
そもそも新卒を採用して終身雇用する前提では、即戦力という言葉はありません。全員が0からスタートし、会社内で力を徐々につけていくからです。一方、中途採用の際は即戦力が絶対条件でしょう。他の企業で経験を積んだ人を採用し、その力が新しい職場で即・発揮できることが中途採用では大切です。
もちろん、即戦力を発揮してもらうためには汎用性が高い職種であることが必須です。他にはない自社独自のシステム、自社にしかない技術がある場合、それらのエキスパートが他社に入って即戦力として活躍できることは難しいはずです。しかし、経理や財務、営業などの仕事であれば、その方法は多少違っても根本的なノウハウは同じなので、それさえ身に付けていれば即戦力として役立ちます。あとは受け入れ側が柔軟に対応できること、これまでの他社で達成したことを実績として受け入れて、活かせることが大切です。
これが未経験者を採用するとなると全く状況が異なります。社内教育制度がある大企業なら、何の知識もない未経験者でも問題はありませんし、大企業でなくともある程度の人数がいて、誰かがメンターとしてOJTをやれる企業なら未経験者でも構いません。しかし、日本の9割以上占める中小企業、特に数名程度でやっている零細企業では、未経験者が入ってその人にゼロから仕事を教えている余裕はないはずです。
やはり、本当の意味で即戦力がある人を採用することが多くの企業にとって必須というわけです。
