元々ネイティブチェックというのは、ネイティブではない人が書いた外国語の文章を、その言語を母国語としている人にチェックしてもらうことを言います。例えば日本人が書いた英文をイギリス人にチェックしてもらう、あるいは反対にイギリス人が書いた日本語を私たち日本人がチェックするという具合です。
それに加えて、最近増えてきた新しい仕事があります。それはAIが翻訳した文章をその言語のネイティブがダブルチェックする仕事です。実際に私たちのところに頻繁に依頼が来るのは、AI翻訳で英文を元に書かれた日本語をチェックしてほしいと言う内容です。
何度かこのブログに書いている通り、今やAI翻訳のレベルは驚くべきものがあります。文章をぱっと見た限りでは人間が書いたものと何ら変わらないレベルになっていることがあります。しかし、プロの目でよく見てみると、やはり言葉として不自然なところ、全体の流れに合っていないところ、実際にその国ではあまり使われていない表現なども出てきます。これらをチェックするのが「AI翻訳のネイティブチェック」という仕事です。
そもそもAIが英語から日本語に翻訳した文章は、どんなに優秀であっても、しょせんは英語からの翻訳に過ぎません。英語の表現を正確に日本語に訳したところで、日本語としてふさわしい表現になることはないのです。特にキャッチコピーや見出しなどの英語は、英語の文化を強く反映したものが多いため、日本語に翻訳したところで伝わらないことが多々あります。そういう場合は、思い切って中身を変える必要があるのですが、そこまでAIができるわけではありません。
そしてもちろん最近多くの人が言ってるように、AIで制作された内容は事実に反することも多く含まれています。ビジネス文章として使うためには、ネイティブチェックだけでなく、ファクトチェックも必須です。
こうした新しいチェックの仕事が今後増えてくることが予想されます。
