欧米に行くと、ビールやワインのグラスにメモリが振ってあることがよくあります。
この写真のレーダーと、この線の位置が200ミリリットルというわけです。

これがあると店の人は量を正確に量らなくても一発で正確に注ぐことができるので、便利なのは当然です。
ところがですね…目的はそこではないのです。
一番の目的は、お客さんのクレーム防止なのです。200mlの飲み物ならこの線まできっちり注いであれば、誰も文句を言う人はいません。店側の利便性に加えて正確性、そしてクレーム防止の面で役立っているのです。もちろん、メニューにも単に大とか小とかだけでなく、大抵は200ml、500mlなどと数字で書いてあるので、それに一致させるように注いで出すのです。
これは日本ならグラスに線がなくても、またメニューに数字がなくても、大や小を目分量で適当に注ぎます。そして多少量が少なくても多くても文句を言ってくる人は滅多にいません。
以心伝心の文化があり、トラブルを避け、和を重んじる文化があるからです。
その一方で、欧米のほとんどの国は移民国家です。以心伝心でものが完全に通じる事はありません。すべてに対して正確で公正かつ明瞭であることが求められているのです。
大きな文化の違いです。日本企業が海外でビジネスをするときは常に意識して気をつけることが大切です。
