ある大企業の人材募集要項に「総合職」と書いてあるのを見て、まだそんな分類があるのかと思いました。

私か社会人になって最初に就職した会社での職種は、まさにこの「総合職」でした。当時は既に男女雇用機会平等が始まっていたものの今ほどは徹底されておらず、総合職の9割以上は四年制大学卒の男性で、短大卒の女性は全員が一般職という職種でした。一般職は事務限定、総合職は何でもありという位置付けです。職種はその二種類のみだったのです。

総合職になると文字通り何でもできるジェネラリストになることが期待され、事務から営業、融資などの仕事を一通り経験します。そのまま適性により営業などの仕事が続くこともあるのですが、数年ごとに必ず配置換えがあり、大抵はまったく違う仕事もするようになります。そして歳をとって位が上がると向き不向きにかかわらず自動的に管理職になります。

色々なことを幅広く経験して何でもできるようになるのは素晴らしいことです。その一方でスペシャリストが求められる今の時代に適合するのはだんだんと難しくなってくるでしょう。

また、あまり気づいていないかも知れませんが、人財流動化の時代、ジェネラリストは再就職に不利です。採用する企業としては、「何でもできます。」という人より「これだけは誰にも負けません。」という人を選ぶのは明白です。