新聞社の人から聞いた話です。新聞の記事、広告ともに完全にデジタル化されたため、これまでは考えられなかったような効果測定が可能になりました。

例えばこれまでなら新聞は発行部数以外でその成果を測定する方法はありませんでした。しかしネット上のニュースなら、具体的にどのニュースが何回読まれたかということを完全に把握することができます。1日に何百とある記事の中で、人気があった記事、逆にほとんど誰も読まなかった記事というのが浮き彫りにされるのです。

もちろん広告もしかり。閲覧数が多く効果につながった広告もあれば、そうでない広告もあります。

なので新聞記者や広告の担当者たちは、今の時代、とても厳しい実力勝負になってきたのです。

その競争自体は良いのですが、その反面、単に閲覧数を稼ぐだけの競争になってしまうという大きな問題点があります。

例えば新聞の記事だと読者がついついクリックしたくなるような記事、読者の関心を引くための見出しの付け方などに記者たちが専念するようになってしまいます。

そうすると記事に本来求められるべき質の高さよりも、単に興味を引くだけの内容に走ってしまう恐れがあります。結果、新聞全体のレベルが低下してしまうということにつながりかねません。

デジタルには常に一長一短があります。デジタルでの効果測定の限界を理解しつつ、必要に応じて方法を変えることも大切です。