最近はそんなことを言う上司が少なくなってきたのは想像に難くありませんし、そもそも一杯おごってもらって喜ぶ部下もいなくなってきたでしょう。
私が20代の頃、そんな話はしょっちゅうありました。当然、その時代だっておごってもらって嬉しくなかった人もいたとは思います。私の場合は飲むのが好きなので、それだけで大喜びでしたが。
今日、ある海外の方と話していて気づいたのは、海外では会社によって、何か特別な仕事を部下に依頼したり休日出勤を引き受けてもらう際、当然として支払われるべき正当な給料に加えて、「来期からマネージャーに昇格させる」「追加ボーナスを払う」とか、「平日休みを3日やる」という約束も(法律などで禁止されていない限り)ありえるということです。まあ確かに理にかなっていると思います。
一方日本の場合、特に大企業では上司といえども昇格を決定したり、ボーナス額を決定したり、追加休暇を与えたりという権限がないのが一般的です。もしやろうとすれば自分の上の人、その更に上の人を通し、最終的に人事部などへの申請が必要なこともあり得ます。つまり、実質的には無理なのです。
そのため、上記のような「一杯おごってやるから」という見返りが一般的にあったのかも知れません。
もちろん欧米でも何かのお礼に一杯おごるという習慣はごく一般的です。しかし上司が部下に仕事を依頼する際に「一杯おごるから」というのは、滅多に無いでしょう。
文化の違い、習慣的な違いに加えて会社組織の違いが大きいのだと思います。
そんな日本の文化も廃れつつありますね。