「スマートホーム」(Smart Home)という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。一時期話題になったものの、その後、目立たなくなった印象があります。

スマートホームとは、洗濯機やエアコン、照明、テレビなどの家電にインターネットやAI、スマートフォンを組み合わせて、一括管理、リモート管理や省エネを可能にする仕組みのことを指します。例えば、暗くなったら自動的に電気がつく仕組みも広義ではスマート化の一例ですが、今のスマートホームはそれだけではありません。スマホで遠隔地から自宅の家電を操作したり、AIスピーカーに話しかけて照明やエアコンをオンオフできたりすることが含まれます。これを使えば、外出先から帰宅前に暖房をつけたり、お風呂にお湯を張っておくといったことも可能です。

そんな便利な機能があるにもかかわらず、実際にスマートホームを導入している家庭はごく少数です。その理由を考えてみると、いくつかの要因が浮かび上がります。

まず、メリットが直感的にわかりにくい点が挙げられます。具体的にどのくらい電気代やガス代が節約できるか、はっきりとした数字が提示されなければ、多くの人が必要性を感じにくいでしょう。

また、「スマートホーム」という概念自体が十分に浸透していないことも課題です。スマートフォンのように目に見える形で手に取ることができず、周囲で利用している人を見かける機会も少ないため、身近に感じにくいのです。

さらに、導入コストの高さも普及を妨げる要因です。スマートホーム化にはまとまった設備投資や全体的な設計が必要となるため、スマホやパソコンのように手軽に始められるものではありません。それに見合ったメリットを理解できなければ、導入に踏み切る人は少ないでしょう。

とはいえ、スマートホームは今後の技術進化によって、さらに便利でエコな仕組みへと成長する可能性があります。本格的な普及にはまだ時間がかかるかもしれませんが、その可能性に期待したいところです。