この話、もう20年以上前に某メガバンクのシステム部で聞いた話です。
そこの銀行である大きな管理システムを導入するプロジェクトで、サーバーを社内に置かずに外部のデータセンターにあるものを使うことになりました。当時の銀行はもちろん多くの企業では、自社内にサーバーを置くのがまだ常識だったのです。既に外部のデータセンターを使うことが普及しだしたものの、古い企業では物理的に社内にあった方が安全、安心ということだったのでしょう。もちろん、クラウドという考えもなかった時代です。
そして、そこのシステム担当部長は億単位のプロジェクト契約で使うことになったサーバーが見えないのは不安だったに違いありません。デンターセンターに行って、お前が見てこいと言われたわけです。
今にしてみれば考えられないですよね。「Googleのサーバーを見てこい」と言う上司がいたら、頭がおかしいと思われるに違いありません。
その一方で、やはり目に見えないものは安心できないという考えは今でも根強くあります。例えば物理的に目に見えるものの値段はわかりやすいものの、目に見えないもの、例えば何かのノウハウ、知的所有権などが、何千万という価値があることに、ピンとこない人も多いでしょう。
やはり目に見えることが大事なのです。
クラウドの技術は急速に進化したものの、人の考えは意外なほど変わらないものです。