「弁当屋さんの倒産件数が過去最多を更新」したとううニュースがネット上でバズっていました。
それを読んだとき私は、「なるほど:米の価格を始めとする材料費が高騰している上にコロナ期にピークだったテイクアウトの需要も大きく低下しているからな。」と考えてしまいました。
ところがですね…。
このニュースに対してあるプロのコメンテーターの方が「確かに過去最多かもしれないけど、弁当屋は全国に80,000軒ありその中の22軒が倒産したという話ですよ。」と書いていました。
それは私も考えませんでしたが、確かにニュースだけを見ると、世の中が大きく動いたように錯覚を起こすしてしまいます。しかし実際の統計で見ると、ほぼ誤差の範囲内かと思います。
さらによく読むと、ここでカウントされているのは負債額1,000万円以上の倒産ということなので、例えば個人でやっている年商500万円程度の弁当屋さんが300万円の赤字で倒産してもカウントされていないのです。実際は恐らくそういう店も多いはずです。
あるいは100店舗直営店を持っている全国チェーンが10店舗閉店しても、チェーン自体は倒産していないので統計には出てきませんね。
もちろん22軒の倒産が過去最多という事も事実でしょう。ただ、それでは全体のごく一面を表しているに過ぎません。
話題を引きつけるためのニュースとしては構いませんが、事業計画、会社の方針判断など重大な戦略決定をするときは、統計全体を見て、事実を正確に判断することが不可欠だと思います。