時々、ふと考えることがあります。

例えば絵画なら、同じ大きさのものでもピカソが描いた絵と新人画家が描いた絵では値段が大きく違いますね。

ところが音楽なら、超一流のオーケストラの演奏が入っているCDと新人歌手のCDは同じ値段なのです!

不思議ですね…。

コンサートも同じです。さすがに新人歌手が公民館で歌うものと世界的なアーチストが東京ドームで歌うものでは値段が違いますが、それでも絵画ほどは違わないでしょう。

そう考えると小説も似ています。

文庫本の値段は、歴史的な大作家が書いた不朽の名作と新人作家が書いた小説ともに同じです。

この違いは何でしょう?

CDや文庫本の価格が中味の価値で決まるのであれば、値段をつけるのが大変ですし、そもそも誰がどうやってつけるかという問題もあります。なので公平に一律価格にするのは理にかなっています。

あとピカソが描いた本物なら1枚しか存在しないので非常に高額になります。もしそれが印刷されたポスターなら安価ですし、画家が誰であっても同じ値段ですね。

小説だって川端康成の直筆原稿なら目玉が飛び出るくらいの値段になるでしょう。

そう考えると、この辺りは中身そのものよりも希少価値できまるわけです。

それにしても…新人作家の作品と文豪の作品が同じ値段というのは、何かしっくりきませんね…。