この表現、私が社会人になりたてで銀行の支店に勤めていた頃、上司に教わった言葉です。面白い表現なので印象に残っています。
一般的に、「いい加減にしなさい!」と言われた場合、相手の人はとても怒っている状態ですよね。こちらが度を超えて悪いことをした時に「いくらなんでもひどすぎるぞ!」と言うような意味合いで、「いい加減にしろ!」と言うのでしょう。で、その時、私が習ったのは良い意味の「いい加減にする」ということでした。
銀行は何もかも、とてもきっちり正確にやらなければいけないのが一般的な常識です。ところが本当に何から何まで、大事でないことまで100%正確にやろうとすると、ものすごく無駄な時間が発生し、ストレスもかかってしまいます。そこはきっちりとメリハリをつけ、例えば金額や契約等に関する事はもちろん100%完璧にすることが必須ですが、その一方で、社内の資料や対外的でもさほど重要でないことまで無駄な神経と時間を使って100%完璧を目指す必要は無いわけです。その部分の加減を上手に考えて効率よく仕事をしなさいと言う意味でした。
これはどんな仕事でも通じます。お金の話、期日の話などは100%正確に行うように努めつつ、そこまで正確さが求められないものは「いい加減」にし、適度に効率化し行うことが大切なのです。そして生産性が世界で最も低い今の日本に欠けていることだと思うのです。