多くの人と同様、私だって日本製品が何でも最高と思っています。世界的にもシェアが高い工業製品はもちろん、農作物だって大抵のものは日本産が一番でしょう。
ところがですね…。
日本産のワインと日本産のチーズを私が好んで買うかというと、まず買うことはありません。なぜでしょう?
確かに、ワインとかチーズとかも最近は日本製のものが増えてきて、いずれも本場であるフランス産に負けないレベルのものが多くあります。そして、確かにブラインドテストで気づかないくらいフランス産と近いレベルになってものもあります。でも、だったらフランス産を選べばいいような気がするのです。値段がすごく低いのならともかく、大抵はほぼ同じですし、フランス産が入手困難なわけでもありません。それなら無理して日本産を選ぶ必要はないのです。本場物であるフランス産を選べばいいだけの話です。
反対に私たちがアメリカに行ってアメリカ産の日本酒を飲むかと言うと、話のネタとして飲むことはあっても、好んで飲むことはないでしょう。アメリカだって日本製の日本酒が入手できるのなら、日本製を買うに決まっています。
「日本産=安全」の神話もしかり。よく「海外産は農薬が沢山使われているから」と思いがちですが、果たしてそうでしょうか?データを比較したことはありますか?
私たちは「日本製が安心」「外国製は危ない」「日本製が一番」と小さいころから頭に叩きつけられてきたため、そう信じてしまうのですが、時々立ち止まって客観的に見てみることも大切だと思います。
特に日本製品を海外に売る時、マーケティング戦略として「日本製だから良くて当然」と信じ切っていると大抵は失敗します。海外製品と冷静に比較して長所を考えて売ることが必須なのです。