IT Media Businessの記事*によると、採用した人が半年で辞めてしまった場合、その人の想定年収の2倍以上が会社にとっての損失となるそうです。これって、私の実感とも一致しています。

まず当然6ヶ月分の給料、それから採用に使った費用、それにかけた労働と人件費…などなど合わせると、確かにそのくらいの損失になるでしょう。仮に年収600万円という契約で採用した人が半年で辞めた場合は、この記事によると640万円のマイナスという計算になるそうです。

それに加えて私として思うのは、何よりも脱力感です。採用にはそれなりの苦労が伴います。色々と試行錯誤して求人広告を出し、何人も書類選考して、リアルで面接して、やっと採用を決定します。そして色々な入社手続きがあります。昔ながらの役所手続きもあります。それから机を用意し、パソコンを用意し、名刺を印刷し、メールアドレスを作り…。そして入社したらそれなりに歓迎し、0から教育します。そのあげく、何のリターンもないまま6ヵ月で辞められては、それまでの苦労がすべて無駄になってしまいます。その脱力感が、私としてはコスト以上に大きな損失なのです。

それを防ぐためには、短期間での転職歴が何回もある「前科者」をさけるのはもちろん、採用を焦って過剰な要求を無理して引き受けたり、必要以上に妥協したり、業務内容をごまかしたりしないことが極めて重要です。

半年での退職は双方にとって不幸なだけなのです。

(*ITmediaビジネス2025/08/31「年収600万円の社員が半年で退職、企業の損失額は?」)