「快適空間」と直訳してしまうと良いいびきがありますが、実際は悪い意味でよく使われる言葉です。
新しいことにチャレンジせず、現状を維持する方が楽なのでその殻に閉じこもっているような場合に使います。日本語の「ぬるま湯につかる」と言う表現に近いと思います。
スマホが登場した時、使ってみようとせず、「俺はこれで充分」と言ってガラケーに固着した人は、その典型的な例でしょう。1つの仕事に慣れてしまうとそれを続ける方が楽なので新しいことにチャレンジしない、さらに上を目指さないというのも、コンフォートゾーンから抜けられない例ですね。
日本で多くの人に見られるのは日本語というコンフォートゾーンです。英語があらゆる場面で必要なのはわかっているのに英語習得にチャレンジしようとしません。もちろん習得するためには莫大な労力と時間が必要です。それに対して、「ここは日本だから」「自分には必要ないから」と言い訳をして逃げている人が圧倒的に多いのではないでしょうか。
今の日本は豊かになりすぎたため、いろいろな意味でコンフォートゾーンが増え、そこから抜けようとしない人が圧倒的に多くなってしまいました。
10年後、20年後の自分、家族、日本のことを考え、今のコンフォートゾーンから抜け出す勇気を持つことが不可欠だと私は思います。
 
 清水周一
清水周一