顔馴染みの寿司屋の大将からそんな話を聞きました。寿司職人や魚市場、漁業関係者の間では、今でも「築地」と呼んでいるそうです。何十年と慣れ親しんだ名称をそんな簡単には変えられないのでしょう。

私が思うに、寿司屋や関係者だけでなく日本中で広く一般の人、いや世界的に親しまれてきたのだから、引越しを理由に名前を変える必要は無かったのではないでしょうか? 住所がどこであろうと、あれはブランド名なのだから「豊洲」ではなく「築地」でよかったのです。

その点、見事なのは東京ディズニーランドです。最初から千葉にあるものの、ゴロがよく、しかも世界的に知名度が高い「東京」をあえて名前にしたのです。あれが「千葉ディズニーランド」だったら今ほど成功していなかったに違いありません。

日本中多くの会社や店舗も同じです。住所的には隣りの街でも「銀座」「渋谷」「新宿」などの名称を付けているところは沢山ありますし、それらは引越しのたびに会社名を変えているわけではないでしょう。

築地は築地というブランドなのです。引っ越しを理由にそれを変えてしまったのは、マーケティングを理解していなかったと言わざるを得ません。