銀行で恐ろしいほど徹底して厳しく現金を数えて記録するのはそれが本業ですし、当然です。いや、銀行以外の会社でも現金管理は必ずやっていることでしょう。さらに私が銀行に勤めていた頃、切手や葉書の枚数も同じように厳しく管理されていました。これらも現金と同様の価値があるものだからです。そしてさらに部署や担当者によっては文房具なども厳しく残高管理がされていた記憶があります。まあ、この辺は職業がら仕方がなかったのかもしれません。

しかしメーカーに勤める友人から最近聞いた話では、その会社は名刺の枚数まで毎日厳しくチェックしているとのことです。その日何枚使ったか、誰に渡したかまでを記録しなくてはいけないということでした。

それって一体何の意味があるのでしょうか?

もちろん名刺に書かれている事は、社員の個人情報なのでそれを大切にする気持ちはわからなくはありません。しかし、名刺をたくさん配るのが営業の基本であり、そもそも名刺の意味なのです。名刺を社外流出させないというのでは、名刺の意味は一体どこにあるのでしょう?

何でも厳しく感じすれば良いという風習があるのかもしれません。しかしそんなことにかける労力と時間の無駄の方が、その必要性よりもはるかに大きいはずです。管理必要なところはきっちりと厳しく行うにしても、そうでないところは、無駄な時間と労力をかけないようにすることが、今の日本企業に求められていることだと私は思います。