先月も一度、翻訳は安ければいいというものではないと書きました。

今日、ある海外企業の日本語ホームページをチェックしながら、値段だけでなく時間も重要な要因であることに気づきました。

そのホームページにある日本語文章の1つが非常にわかりにくいために英語の原文を読んでみたところ、確かに英語から日本語には正しく翻訳されており、日本語として間違っているわけでもありません。しかし英語がそもそも婉曲的な表現だったので、それをそのまま訳すと日本語としては意味不明になってしまうのです。なので、本当にわかりやすく翻訳しようと思うと、まず文章全体の意味を把握したうえで、その文章に合う適切な日本語表現を自分で考えだす必要があるのです。これは短時間では絶対にできません。

現在多く使われているWEB上の(機械ではなく人力による)翻訳サービスでは料金が格安で短納期なので、翻訳者は非常に早く訳すことが求められます。また費用的にも低いために量をこなすことが必須です。するとどうしても「質より量」になってしまいます。これは仕方ないことです。

また通常の翻訳者に頼むときでさえも短納期を要求されることが多いですし、十分な報酬を得られない場合は翻訳者も数をこなすことが必須になってくるので、じっくり考えながらの翻訳はできません。

翻訳に「うまい、はやい、やすい」はありません。質の高い翻訳を求めるのであれば、それなりの費用と納期を用意することが必要です。