随分前、私が銀行に勤めていた時のことです。当時の上司が「為替の神様」と呼ばれていた伝説の天才ディーラーでした。その方が口癖のように言っていたのが、「その時のベストな判断」という言葉です。
為替相場が上がるか下がるかを100%確実に予想できる人は絶対にいません。しかしベテランのディーラーがその時点での情報を最大限に集積し、分析し、熟考すれば、高い確率で当てることは可能です。そして都度、判断を下します。ところが当然、それが外れることもあります。どんなプロにだって絶対ということはありません。
そこで大切なのが、「その時点でのベストな判断」というわけです。
将来を確実に言い当てることができないのであれば、常にその時点でベストな判断をするしかありません。そしてその時点でベストな判断をしておけば、たとえ結果として失敗であっても後悔することはないのです。
これはすべてに関して言えることです。日々のこと、プライベートのこと、会社の経営も当然同じです。現時点で出来る限りの情報を集め、その時点でのベストな判断をするのです。そうすれば結果として間違っていても仕方ありませんし、公開する必要もないでしょう。
当たり前ですが、それ以外にありません。