日本語ではあまり使われない英語の表現方法に、無生物主語というのがあります。

たとえばこんな感じです。

1.A Christmas cake makes you happy.
2.Heavy snow hit Hokkaido.

そのまま直訳すれば、下記の通りです。

<訳A>
1. クリスマスケーキはあなたを幸せにする
2. 大雪が北海道を襲った

いずれも通じるものの、何だかぎこちない感じがしますね。それは日本語では馴染みが薄い無生物主語だからです。

しかし現実問題として、多くの翻訳者がこのような日本語訳をしています。翻訳者としては原文に忠実に訳すのが仕事なのだから、ある意味、仕方ありません。

もしちょっと頑張って日本語に訳すのであれば、主語を入れ替えてこんな感じになるでしょう。

<訳B>
1.あなたはクリスマスケーキで幸せになる
2.北海道は大雪に襲われた

これなら大きな違和感はないと思います。翻訳の仕事としてはこの辺が限界ですし、日本語をこれ以上変形させると怒られるかも知れません。

もし自由にしていいと言われたら、私なら次のようにします。

<訳C>
1.クリスマスケーキを食べて幸せになろう
2.北海道は大雪でした

海外企業の日本語ホームページは半数以上が上記Aのような日本語を使っています。そうすると日本のユーザが見たときに親近感がイマイチ沸かず、よそ者のような印象になってしまいます。さらに「怪しい日本」「怪しいホームページ」と思われてしまうことだってありえます。

せめてBくらいの日本語にしておきたいところです。さらにCの日本語になれば、ちゃんと日本に根付いた会社の日本語ホームページとして認められるようになるはずです。

日本で本格的にビジネスを広めたいというのであれば、やはりホームページの言葉もCをめざしたいところです。