時々、国内や海外のお客様からWebマーケティングの契約を成功報酬にしてほしいという相談をいただくことがあります。成功報酬だと大成功したときに大きな収益を得ることができるので、魅力的ではあるのですが、私は次の理由より断ることにしています。

まず、成功報酬は常に責任の所在が曖昧になってしまいます。私たちとしてはSEOやWeb広告などのマーケティングが本業なので当然それらは力を入れてやるものの、直接的な営業活動をしたり物を販売したりというところまではできません。

一方、お客様側としては、私たちにマーケティングを依頼したので、営業活動全てを依頼しているかのような錯覚に陥られるものです。売上が期待した通りに上がらない時はこちらの責任を問われる可能性が高いわけです。

マーケティングではお客さんを集め、連れてくることはできても販売するところまではできません。マーケティングと営業はまったく別の仕事ですし、まとめて行う事は難しいものです。仮に営業まで引き受けようとした場合、営業に365日尽くすことが必須です。営業はマーケティングと違い、直接的に顧客とのやり取りが必要なため、週に3日間というようなやり方では通用しないのです。

また、たとえどんなにマーケティングが上手くいって、さらに営業活動まで徹底して行ったとしても、そもそもの製品やサービスが日本の風土に合わないものであれば、売れることはないでしょう。販売する製品やサービスそのものの改善も必要になることがあるのです。しかし下請け業者がそれを依頼したところで実現してもらうのは容易ではありません。

やはり私たちのようなマーケティング専門業者が成果報酬の契約を結ぶのは、慎重に検討する必要があると思います。