「Totally fragmented!!」(すべてが断片的だ!)というのが、以前私が外資系に勤めていた時の上司の口癖でした。

色々な意味で使っていました。部下からの報告、本社からの指示、プロジェクトの進め方…などなど、頻繁に言っていた気がします。

一番印象に残っているのが、その上司自身の仕事についてです。夕方疲れ切った顔をしていたので、「疲れているようですね。大丈夫ですか?」と私が聞いたとき、「忙しい日が続いているから。」と言いつつ、「いや、だからといって大きなプロジェクトがあるわけではない。細かい断片的な仕事が大量にあって、すべてを早く片付けなくてはならない。しかし、1日使って全部片づけたところで、何の達成感もない。1日が無駄になってような気がする。」と、その人にしては珍しく、やや愚痴っぽい話があったのです。

これって、よくわかるような気がします。私もまったく同じです。

特にマネージャーとしての仕事をやっていればよくあることなのでしょう。人事、経理、庶務、雑務、プロジェクト、顧客対応…すべて専門の担当者がいるものの、マネージャーとしてはすべてにかかわる必要があります。内容を認可したり、何かを決定をしたり、相談を受けたり、指示したり…と色々な形でかかわるのですが、そのすべてが断片的です。当然、これらを1日100件処理したところで、何か大きな達成感はないでしょう。

やはりいかに担当者レベルに権限を与えて自分が触れなくても業務が回るようにし、空いた時間でマネージャーとしての大きな課題に専念できるようにするか、それが出来てこそ更に上を目指せるのかも知れません。