ある有名なオーケストラの関係者から聞いた話です。世界的なレベルの演奏家でも、コンサート会場によって特に力が入るところと、そうでないところがあるそうです。格式高い音楽ホール、音響がいい一流のコンサートホールは気合が入り、そうでないところ、田舎の公民館などではテンションも低下しがちなのだと思います。本当はプロなら「どこでも全力」であるべきですが…プロだって人間です。仕方ありあません。

これは色々な職業で共通しています。料理人だって、一般家庭のキッチンで料理を作るのと、一流ホテルのキッチンで作るのでは設備はもちろんのこと、気持ちだって大きく違うでしょう。

仲良しの元水泳選手も好きな会場とそうでない会場ではタイムが違うと言っていました。しかし、コンサートホールなら音響や設備に左右されますし、料理ならキッチンの設備で左右されますが…水泳で50mプールであれば理屈的には同じはずです。でもタイムに差が出るということは、やはり気分によるところが大きいのです。

私たちの仕事だって同じです。都心にある新しくて気持ちいいオフィスで働くのと、住宅地にあるボロボロの建物、しかも書類が山積みになっているような昭和時代の職場環境で働くのでは、モチベーションが違って当然です。

プロが環境に左右されるようではいけませんが、やはり同じ働くなら気持ちいい環境で働きたいものです。